コラム
ファミリーレストラン業界におけるバリアフリー
2007年07月26日
これまでに笑顔.COMではカフェ・レストラン企業で5つの業態のホスピタリティランキングを行ってきました(2007年6月末時点)。その中で業界全体として、最もバリアフリーに力を入れていたのがファミリーレストラン業界です。今回はファミリーレストラン業界が取り組むバリアフリーについて話を進めさせていただきます。主な取り組みとして次のようなものが挙げられます。
・入口のスロープ、手すりの設置
・多目的トイレの設置
・体の不自由な方専用出入口の設置
・体の不自由な方専用エレベーターの設置
・補助犬入店の受け入れ
・点字メニューの導入
企業によってもばらつきはありますが入口のスロープ、手すりの設置は多くのファミリーレストランで見ることが出来ます。いくつかの企業が積極的にバリアフリーを進めていることが業界全体の底上げにつながっているように見受けられます。全てをバリアフリーにするということは大変な労力と資金力が必要だと思いますが、次のような問題点もまだ残っているのが現状です。
・スタッフが対応できない
・体の不自由な方専用の駐車場がない
・通路が狭い
・トイレが狭い
・出入口ドアを1人では開けづらい
など改善すべき課題はまだまだあります。現在、高齢社会と言われている日本には65歳以上の高齢者が2,640万人いらっしゃいます。国民の5人に1人が高齢者です。更に2015年には国民の4人に1人が65歳を超えるだろうと言われています。そして心身に何らかの障害を持たれた方はおよそ国民の5%。人数にすると351.6万人の方が生活をされているのです。
では今後ファミリーレストラン業界が全てのお客さまに喜ばれるために出来るバリアフリーとはなんでしょうか。
すぐに出来ることを挙げるとすると店舗スタッフの高齢者や体の不自由なお客さまに対する接遇レベルの向上です。店舗のハード面では企業の積極的な取り組みにより徐々に改善されているように見受けられますが、接客を行う上で一番重要なスタッフが対応しきれていないというケースを間々目にします。
先日、私は会社のメンバーと東京都新宿区にある東京都心身障害者福祉センターで障害者接遇講習というものを受けてきました。2時間程度の講習ですが高齢者や体の不自由な方への接遇の仕方を教えていただき、疑似体験など経験できる実のある時間を過ごすことができました。やはり講習を受ける前と受けた後では意識が大きく変わってきます。このような経験をアルバイト研修の中に組み込むことが出来ればファミリーレストランもより居心地のいい場所へと変わるのではないでしょうか。
他に改善できるポイントはデリバリーだと思います。最近、デリバリーサービスを行うファミリーレストランが増えてきています。実際の店舗のフロアスタッフよりデリバリースタッフが多いというケースもあるぐらいデリバリーに力を入れ始めています。自宅まで商品を届けてくれるという利点を活かし、もう少し高齢者向けのメニューを増やしたり、介護の資格を持つデリバリースタッフを雇ったり、高齢者が集まるような場所で注文方法を解りやすく説明するなどといった高齢者向けのサービスを提供できるのではないでしょうか。
上記で述べたとおり日本では高齢化が進んでおります。現在、高齢者と言われている人々はファミリーレストランに子供をつれて家族団欒を楽しんだ最初のパパママ世代だと思います。その方たちと共に成長してきたファミリーレストランだからこそ、今後何世代もの家族が楽しく食事が出来る場所であって欲しいと願います。
<執筆 マーケティング部 村山 勝也>
<監修 續池 均>